うだるような暑さの夏の日、主人公・桐山祐一は腐っていた。
パチンコ屋になけなしの金を吸い取られた彼は、自分の
これまでの人生を述懐していた。
――――初めに就職した会社。
そこの年上の社長秘書と関係をもったことがバレ、
会社をクビになったのがケチのつき始め・・・・・・
その後、バイトをしていたコンビニの客として来た人妻に溺れ、
それが店にバレ、その日のうちにクビになり・・・・・・
憂さ晴らしにパチンコをしてみたが、いましがた見事に負けた。
それもこれも自分の性癖――――
人妻好き、年上好きのせいだとは分かっているが、
だからといってその性癖を変えようとは考えなかった。
そんな彼の前に、しばらく会っていなかった人物が現れる。
傍若無人な性格で、親戚中で鼻つまみ者の叔父・満吉。
スーパーで万引きGメンをしているという叔父に流されるままに
連れられ、叔父の仕事場、店内の詰め所に足を運ぶ祐一。
そこは外とはまた違い、
締めきった室内の熱気が身体にまとわりつくような暑さだった。
祐一がそれに辟易していると、叔父は口角を上げ、言った。
「なに、お前もこの暑さにすぐ慣れるだろうし、
何よりこの暑さが病みつきになるかもしれないぞ?」
意味が分からず考えていると、叔父はこの仕事を辞めるから後任に、
職のない自分に万引きGメンの仕事を譲ると言い始める。
久方ぶりに会う胡散臭い叔父の胡散臭い打診に、祐一は疑心を抱くが・・・・・・
その時、詰め所のドアをノックする音がした。
入ってきたのは何かに上気したように顔を朱く染めた主婦だった。
叔父はその人妻に近づき、自分の目の前でおもむろにセックスをし始める。
人妻は人に見られることに抵抗感を抱きつつも、徐々にそれを
快楽のスパイスに変え、目の前でオーガズムを感じ果ててしまう。
その人妻は叔父の手によって、すでに墜とされていたのだ。
祐一はその様子を見て、口元が緩み、無意識に静かな笑みを浮かべていた。
それを見て叔父は言った。
「そうだ、それだよ。お前は俺と同じだ……
同じ種類の匂いをプンプンさせてやがる」
祐一は万引きGメンを引き継ぎ、その役得を活かしきろうと決めた。
彼の叔父がそうであったように。