『禁断』

主人公、雪村 貴明は潤美に恋していた。
そんな自分を不道徳だと戒めるものの、日増しに想いは募っていく。
そんなある日、何気無くリビングに置かれていた雑誌に、
盗聴器や盗撮器といった類の情報が載っていた。
その情報に興味を惹かれた貴明は電気街で盗撮器を購入し、潤美の部屋に設置する。

そんな非人道的な行動に出れたのは、潤美の手帳の中に自分の友人、
高須 弘昌が映る写真が挟まれていた所為なのかもしれない。

嫉妬からくる“好きな子に嫌がらせをしてやりたい”という子供っぽい感情。
そして、“好きな子の秘密を知りたい”という年相応の好奇心。

最初はささやかな悦び。自分の中でのみ、潤美を辱めて満足感を得る。
それでいいと思っていたのだ。
だが、撮れた映像を見てそんな消極的な思いが吹き飛んでしまう。
確認した映像には潤美のオナニーシーンが映っていたのだ。

……オナニーというのがいい。
着替えや排泄、入浴シーン、レイプ画像だと潤美は完全に被害者だ。
それなら然るべき機関に被害者として名乗りを上げる事も出来ただろう。
だが、オナニーという行為は完全に自分の意志で行うモノ。
それ故に被害者面して他者に助けを求める事など出来ない筈。

貴明は、もう自分を諌めるだけの余裕を持たなかった。
卑猥な指示に従うよう書いた文章を、撮った写真と共に潤美の許へと送り付けた。

[ 前に戻る ]
(C)WillPlus/Guilty